脱水対策Dehydration

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脱水症&熱中症

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熱中症のⅠ度の症状が見られたら経口補水液による水と塩分の補給と涼しい場所での休憩を

熱中症のⅠ度の症状

こむら返り 立ちくらみ 拭いても拭いても汗が出てくる めまい ↓
  • 涼しい場所での
    休憩
  • 身体を冷やす
  • 経口補水液
    を飲むイラスト:経口補水液
※必ず誰かが付き添い、様子を見守りましょう

経口補水液の飲み方

500mL〜1000mLを目安に無理のない速さで飲みましょう。その後は、ゆっくりと飲みながら様子を見ましょう。

医療機関での診察が必要?
迷った時の目安

現場で対処できる(Ⅰ度の症状)

  1. 意識がしっかりしている ②普段通り、しっかりと自力で飲める

医療機関へ(Ⅱ度〜Ⅳ度の症状がある、Ⅰ度の症状が改善しない)

  1. いつもは自分の力で開けられるペットボトルのキャップが開けられない
  2. 意識がはっきりしない(自分の名前・時間が分からない)
  3. 飲み物が飲めない、口からこぼれてしまう
(参考)熱中症重症度分類2024
分類 症状 治療
Ⅰ度
  • めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉の硬直(こむら返り)
  • 意識障害はない
通常は現場で対応可能
冷所での安静、体を冷やす、経口的に水とナトリウムの補給を。
Ⅱ度
  • 頭痛、吐き気、倦怠感、虚脱感(カラダがぐったりする、力が入らないなど)
  • 集中力・判断力の低下
医療機関での診察が必要
体温管理、安静、十分な水とナトリウムの補給を(経口摂取困難な時は点滴にて)。
Ⅲ度
  • 意識障害、痙攣発作
    (呼びかけや刺激への反応がおかしい・カラダにガクガクとひきつけがある)
入院・集中治療が必要
専門機関で体を冷やす
Ⅳ度
  • (IV度の判断は医療従事者が行う)
  • 深部体温が40℃以上
  • より重度の意識障害(声掛けに反応しない・痛み刺激に反応しない)
※深部体温は、わきの下などのカラダの表面の体温ではなく、口の中や直腸などの体の内部の温度のことで、医療従事者による測定が必要です。

日本救急医学会熱中症診療ガイドライン2024より作成

※経口補水液は消費者庁が許可をした病者用食品で「許可基準型」と「個別評価型」の2種類があります。
「許可基準型」は、感染性胃腸炎による下痢・嘔吐に伴う脱水症状の際に、水と電解質を補給できる経口補水液で、「個別評価型」は「許可基準型」とは別に、脱水を伴う熱中症にも有効な経口補水液として消費者庁に許可されたものもあります。
製品のラベル表示をよく見て、医師、薬剤師、管理栄養士等と相談しながら、使い分けるようにしましょう。

熱中症は重症化すると命にかかわります。命を守り後遺症を残さないためにも、速やかな対処が大切です。

監修:済生会横浜市東部病院 患者支援センター長
東京医療保健大学大学院 客員教授 
医学博士 谷口英喜先生