脱水対策Dehydration

いまからはじめる、
夏の脱水対策!

蒸し暑い日本の夏は、過度の発汗による脱水症の危険と隣り合わせ。
なかでも体力の弱いお年寄りや幼児を抱えるご家庭では、いっそうの注意が必要です。
脱水症のリスクを回避するためのポイントをご紹介いたします。

監修:社会福祉法人 枚方療育園 医療福祉センター さくら 院長,
兵庫医科大学 特別招聘教授 医学博士 服部益治先生
/ 下田内科クリニック 院長 下田敦先生

2021年、熱中症による救急搬送者の56%が高齢者です。

2021年度5月~9月の期間、熱中症で病院に搬送された方は全国で4万7877人にのぼりました(消防庁公開データ)。

高齢者の発生場所別患者割合では、屋内が81%と生活空間における脱水対策が重要となってきます。こまめな水・電解質補給はもちろん、服装や部屋の環境作りなどに気をつけることで、熱中症にならないようにしましょう。

総務省消防庁 熱中症による救急搬送人員に関するデータ。調査期間:令和3年5月~9月より作成。年齢区分別搬送割合:乳幼児(生後28日以上満7歳未満)0.7%、少年(満7歳以上満18歳未満)9.6%、成人(満18歳以上満65歳未満)33.3%、高齢者(満65歳以上)56.3%。高齢者(満65歳以上)の発生場所別患者数割合:その他19%、公衆(屋内)12%、住宅69%。 出典:総務省消防庁 熱中症情報(2022年6月1日現在)
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html(新しいウィンドウ)

節電の夏は要注意!脱水症のリスクはこんなところにも!

  1. 1地球温暖化現象による高温化。
  2. 2節電を意識してエアコンの使用を控えることにより、室内温度が高くなる。
  3. 3風通しが悪く、直射日光の当たる場所に長時間いる。
  4. 4こまめに水分補給をしないため、体温調節ができない。
イラスト:麦わら帽子

脱水症予防のポイント

外出時には帽子や日傘を使い日陰を選んで歩く、服装は通気性の高いものを身につけるなどに気を配ることが大切です。また、適量の電解質を含んだ飲料で水分補給を行うこともひとつの方法です。

イラスト:めまい・立ちくらみ・こむら返り

脱水症になると

身体の血圧低下・脳血流減少により、立ちくらみ・めまいがするといった症状がでます。さらに脱水症がすすんだ場合、筋肉痛、筋肉硬直(こむら返り)が起こることがあります。これらは血液の塩分濃度低下が原因となって起こります。

お年寄りとお子さまには特に注意して

もともと体内の水分が少ないお年寄り

お年寄りは、体内の水分量が少ないため、普段より多く汗をかくだけでも脱水症の原因となります。水分の摂取量が少ないと、食欲不振から食事量も減少してしまい、さらに脱水症を進行させてしまいます。周囲の方は、常にお年寄りのコンディションを気づかうことが大切なのではないでしょうか。

代謝が活発なお子さまは、水分が奪われやすい

小さなお子さまは、代謝が活発であるため、大人が気づかないうちにたくさんの水分を失っているときがあります。大量の発汗の後や、元気がない・ぐったりしている状態のときなどお子さまの変化を見逃さないことが重要なのではないでしょうか。

体内の水分量:高齢者50%、成人60%、小児70%