脱水対策Dehydration

災害時における
脱水対策

さまざまな不安の中におかれる災害時は、自分のカラダの変化にまで気がまわらないもの。けれど、災害時の特殊な環境は脱水症を引き起しやすい環境でもあったのです。

避難場所でも注意したい、脱水症。

環境における要因

避難場所・仮設住宅は温度調節を充分にすることができず、体調をくずしやすい環境と考えられます。

充分な食事・充分な水分摂取ができないと、体力・免疫力も低下するため、衛生環境が悪い避難所などでは感染症のリスクが高まり、時には下痢・嘔吐など脱水症の原因になる症状におちいることも。

災害時には脱水に要注意!

心理的な要因

避難場所や仮設住宅はコミュニティがバラバラになって、ご近所づきあいというのが、旧来どおりにはいきません。心理的なストレスによって食欲が減退することも。

また、1日に何度も仮設の狭いトイレに立ったりしゃがんだりするのが面倒になり、食事や水分摂取を控えがちになると、脱水症が進行してしまうこともあります。

避難場所でも、脱水症のリスクが高まります。その訳は?

  1. 体育館など避難場所・仮設住宅では、室温管理が充分にできない。
  2. 断水などによる、水分摂取不足。備蓄のミネラルウォーターだけでは電解質を補えない。
  3. 衛生環境が悪いため、感染症(インフルエンザ・ノロウイルスなど)にかかりやすい。
  4. 心理的ストレス・慣れない集団生活のために、食事や水分補給が不十分になりがちになる。

ボランティアで被災地へ行かれる方へ

ボランティアで被災地へ行かれる方の中には、「自分は他の人に比べて無理がきく」と考えている方も多いと思いますが、がんばりすぎて具合が悪くなってしまうボランティアの方もいます。自分の体調管理には充分に気をつけましょう。

被災地でのボランティア活動時の脱水症のリスク

被災地を訪れるボランティアの方にとっても脱水症の危険は迫っています。

簡素な食事や不充分な水分摂取の中で、作業を行い大量の汗をかくと、自然とカラダは脱水症に。被災地へのボランティアでは、オーエスワンの用意も忘れずに。

写真:ヘルメット・オーエスワンゼリー

自己完結できる準備を怠らない

ただでさえ食料が少ない状況で、食料を消費する人が被災地に行くというのは、よくありません。

ボランティアをしに行ったつもりでも、被災地の食料を消費してしまう、余分な人員になってしまいます。食べ物・飲み物など、自分で揃えて被災地に行くようにしましょう。

写真:携帯食料・懐中電灯

監修:兵庫県立尼崎総合医療センター 小児科 部長 上村克徳先生